耳の不調~「耳鳴り」・「難聴」のお話し

こんにちは。青木です!僕は今日も元気に頑張っております。
1月に【鍼治療VOL.1「初めての方へ」】を書かせていただき、約一カ月半経ちました。たくさんの方にご覧いただけたようで、嬉しいような、照れくさいような…。その反面、反響の大きさに身の引き締まる思いです。
今回も頑張って書きました。
『耳鳴りと難聴』についてのお話です。ぜひ、最後までご覧いただけますと嬉しいです。
日常生活で「耳鳴りや雑音がして音が聞こえにくい」、「片方聞こえない」といった悩みや経験ないでか? 今回は日本人の10%以上が罹患していると言われている耳鳴りについて、西洋医学と東洋医学を踏まえて説明していきます。
耳鳴りと難聴の違い
耳鳴りとは外界からの音の刺激がないのに音を感じる状態の事で、聞こえ方は「キーン」、「ザー」、「ピー」など様々です。一方、難聴では本来聞こえる音量より音が小さく(弱く)聞こえ、聴力が低下している状態を示します。
東洋医学では耳鳴りは難聴の軽症とされているため、難聴の方がより症状が強いとされています。
耳鳴りは大きく2つのグループにわかれます
耳鳴りは自覚的耳鳴りと他覚的耳鳴りに分かれます。
〇自覚的耳鳴り・・・体内に音源はないが、音が聞こえるもの。耳鳴りの多くはこの自覚的耳鳴りに該当します。
〇他覚的耳鳴り・・・体内に音源があるもので、「カチカチ」といったクリック音が聞こえてくる筋性耳鳴りと、「ドクンドクン」・「ザーザー」といった音が拍動と一致して聞こえてくる血管性耳鳴りの2種類があり、他覚的耳鳴りに罹患する方は非常に少ないです。
ここからは、当院での治療対象となる自覚的耳鳴りについて見ていきましょう。
自覚的耳鳴り(難聴)と一言で言っても、ここからさらに枝分かれして数多くの症状があります。その中でもよく耳にする「突発性難聴及びそれに起因する耳鳴り」、「騒音性難聴及びそれに起因する耳鳴り」、「メニエール病及びそれに起因する耳鳴り」をピックアップして説明していきます。
突発性難聴及びそれに起因する耳鳴り
原因といわれているのは、睡眠不足・心身の疲労やストレスの蓄積があります。他にも急な環境の変化、本人も原因や思い当たる事が無い時もあり、原因がはっきりしないことが多いようです。
症状として、無症状だった方がある日突然一側の耳が聞こえなくなり、耳鳴りやめまい(2・3日で消失)を伴うこともあります。男女比はなく20~50代に多いとされています。
騒音性難聴及びそれに起因する耳鳴り
原因として、ライブコンサートやイヤホンの使用など、大きな音を長時間聞くと罹患率が高くなります。
症状は、一過性から長期間続くこともあり、特に高い音域が聞こえなくなりやすいです。耳の圧迫感・聴覚過敏・耳鳴り(ザーザー、ピーピーなど)があります。
難聴(耳鳴り)の中でも割合が多く、騒音事務所での罹患割合は35.8%と非常に高いです。
他にもWHO(世界保健機関)がスマートフォンでイヤホンの使用率が上がり、若者の2人に1人が騒音性難聴のリスクがあると発表し、難聴(耳鳴り)の中でも注意するべき疾患です。
メニエール病及びそれに起因する耳鳴り
原因は耳の奥にある音センサー「内耳」器官を満たしている水分不調で、内耳が浮腫み(内リンパ水腫)発症すると言われています。
好発年齢は20~50代で、回転性のめまいや一側の耳鳴り・閉塞感・難聴が繰り返し発症します。症状が強いと、吐き気や嘔吐が数時間から半日程続き、これを数日から数週間繰り返します。
治療
耳鳴り・難聴は、心身のストレスや自律神経にも関与しており、早期治療が大切です。
不安に思うほど耳鳴りが悪化し、自律神経がより不調になることもあります。悩みや症状が少しでもある方は、ぜひ相談して頂ければ幸いです。
治療は局所治療と全身(自律神経)治療を、バランスよく行っていきます。これは症状及び発症からの期間で決定します。
全身治療は主に背中・腕・肩などに鍼を打ちます。局所治療では、耳の周囲・首に対してアプローチし、頭部への血行を促進します。これは耳鳴り(難聴)の原因である、内耳血流量に関与する椎骨動脈の血流量を増加させ、内耳の浮腫みを改善することを目的としています。
では、局所治療はどの経穴(ツボ)を使うか以下のイラストにまとめました。

中でも翳風(えいふう)と耳門(じもん)・聴宮(ちょうきゅう)・聴会(ちょうえ)は、耳鳴り、難聴でよく使う経穴(ツボ)です。鍼はもちろん、お灸など温めることも非常に効果的です。ご自宅でもホットタオルで温めたり指で優しく押してみるのも良いと思います。