指がひっかかる!痛い!「ばね指(弾発指)」

当院では今まで多くのばね指になられた方々に治療を行ってきました。多くの方は違和感なく指を動かすことが出来るようになるまで改善してきました。
しかし症状には個人差があり、ばね指になってから1年以上経過している方や、ばね指の手術をされた後に腱周囲が癒着して、指が思うように動かなくなっている方などは改善が困難な場合もありました。
30代から60代にかけて多く見られ、女性の方が多いようです。
指を曲げ伸ばしする際に「ひっかかる感じ」、「指の付け根を押すと痛い」、「指の付け根を触ると小さなしこりのようなものがある」など、違和感を感じたら出来るだけ早期の治療開始が望ましいと思います。
ばね指のメカニズム
指を曲げようとする時、屈筋腱(くっきんけん)というスジが筋肉からの力を伝達して、骨を引っ張る事により動作が可能になります。その際、屈筋腱は腱鞘(けんしょう)というトンネルの中を滑らかに動いています。
ばね指はこの腱鞘に炎症が起こり、腫れてトンネルが狭くなったり、腱自体が腫れて太くなり、トンネルの中をスムーズに通れなくなった状態です。

主な症状
症状の程度は個人差がありますが、まとめると下記のような症状が見られます。
〇指の付け根(ひら側)に痛みや熱をもった感じがする
〇指の付け根(ひら側)を押すと、小さなしこりのようなものを感じる
〇指の曲げ伸ばしが滑らかではない
〇指のこわばりや動かしにくさを感じる
〇指の曲げ伸ばしの際に引っかかる
〇指を曲げると伸ばすのが困難
〇曲がった指を伸ばそうとするとばねのように跳ねる(ばね現象)
親指、中指、薬指が好発部位ですが、人差し指や小指でも発症します。
また、症状は朝方に強い傾向があります。
原因
3つのカテゴリーに分かれます。
①指の使い過ぎ(オーバーユース)
手を酷使する職業・・・理容師、美容師、花屋、農家など
手を使うスポーツ・・・ゴルフ、テニス、鉄棒など
②女性ホルモンの作用
更年期、妊娠中、授乳中などのホルモンバランスが大きく変化する時期はリスクが上昇します。
③病気によるもの
関節リウマチや糖尿病は、ばね指発症のリスクが高くなると言われます。
治療
①電気治療・・・低周波治療器を使用します。手指や前腕の腱周囲及び筋肉に柔軟性を持たせます。
②超音波治療・・・低出力超音波治療器を使用します。腱及び腱鞘を構成する細胞を活性化します。
③温熱療法・・・電子灸を使用します。腱及び腱鞘周囲の血行を促進します。
この治療法で症状により、4~13週で治る方が多く見られます。
放置して悪化してしまうケースもあります。
繰り返しになりますが、指の屈伸時に違和感を感じましたら、出来るだけ早期の治療開始が望ましいと思います。