「肩がゴリゴリ鳴る」その原因とは

若い方(10代~20代)で肩が鳴る方もいらっしゃいますし、中高年でいきなりなり始める方もいらっしゃいます。肩の音にはいくつかの原因がありますので、今回はこの音について見ていきましょう。
原因
〇関節内の摩擦音
肩関節は骨(肩甲骨、上腕骨、鎖骨)、腱、滑液包、それをとりまく筋肉で構成され、複雑な構造になっています。この中で骨と骨がぶつかったり、腱がこすれることによって音が鳴ることがあります。
〇気泡がはじける音
肩関節内の関節液が肩の動きによって圧力変化を受け、気泡が生じて弾けることがあります。この現象は生理的なものであり、痛みがなければ心配はいりません。
〇筋肉が緊張により硬くなっている
肩関節に関連する様々な筋肉が、「使い過ぎ」や「こり」、「けが」などにより、緊張したり硬くなると音がすることがあります。
<音が鳴る際に痛みを伴う場合の考えられる疾患>
〇インピンジメント症候群
肩の関節にある骨と骨の間が狭くなってしまい、腕を動かすときに肩の腱や筋肉が擦れたり、挟まれたりすることで痛みや炎症を引き起こす病気です。
〇腱板損傷・腱板断裂
肩関節の安定性を維持したり、動きを補助・調整するインナーマッスルである腱板のケガにより音や痛みが生じます。
〇関節の変形
加齢や使い過ぎにより、軟骨がすり減り、関節に変形が起こることで、音や痛みが生じます。
自分で出来る対処法
ストレッチ
肩、肩甲骨、背中の筋肉が柔らかい状態だと関節の動きが滑らかになり、音の軽減が期待できます。
ここでは簡単にできるストレッチ法をご紹介します。
1.肩甲骨ストレッチ


①スタートポジション、②両手をできるだけ前へ伸ばしながら背中をまるめる。
②の状態で15秒間保持
2.肩甲骨ストレッチ


①スタートポジション、②できるだけ両手を後ろへ体から引き離す。
②の状態で15秒間保持
3.肩のストレッチ


①スタートポジション、②できるだけ肘を高い位置まで持ち上げる。肘が左右に開かないようにする。
②の状態で15秒間保持
姿勢の改善
パソコン作業やスマホの長時間使用で背中が丸くなったり、首が前に垂れ下がった状態が続くと肩甲骨や肩に負担がかかります。正しい姿勢を心掛けましょう。
温熱療法
入浴はできるだけ浴槽に浸かりましょう。
筋肉を温めることで血流が良くなり、筋緊張の緩和に貢献します。
治療
音が鳴るだけで痛みがない場合は、基本的には治療をする必要はありません。
痛みを伴う場合やスポーツなどで不具合を感じる場合は治療が必要になります。
〇物理療法・・・超音波治療、電気治療(立体動態波、低周波)
〇手技療法・・・マッサージ、運動療法
〇鍼治療・・・必要に応じて行います。

肩の音に伴う違和感や痛みに悩まされている方は是非一度ご相談ください。
