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膝の痛み

膝内側が突然痛くなる「鵞足炎(がそくえん)」

#膝内側痛い#膝押すと痛い#鵞足炎

今回は「鵞足炎」についてお話し致します。
実は昨年年末の12月21日に私自身が鵞足炎になってしまい、痛みがとても強く歩行がままならない状態でした。膝を曲げようとすると強い痛みを感じ、膝の内側に圧痛(押すと痛い場所)があり、痛みによる関節の不安定性を感じました。すぐに治療を開始しました。すると12月25日にはほとんど痛みもなく改善しました。この時行った治療法につきましては後程解説いたします。

この私自身の体験からもお分かりいただけますように、鵞足炎は早期に治療を始めると短期間で改善できることがあります。

鵞足炎は「鵞足(がそく)」と呼ばれるひざの内側よりやや下方の脛骨(スネの骨)の周囲に炎症が生じる病気です。

脛骨というスネの骨の内側(膝から3-7㎝ほど下)に位置し、縫工筋、半腱様筋、薄筋と呼ばれる筋肉の腱が重なるようにくっつく場所(付着部)です。この部位にある滑液包に炎症が生じる状態(滑液包炎)が鵞足炎です。

滑液包(Bursae)とは、膝をはじめとしたその他の関節にも存在する小さなゼリー状の袋で、少量の液体が含まれており、骨と軟部組織の間に存在し、摩擦を軽減するクッションとして機能します。

鵞足炎は膝を曲げる動作(屈曲)やつま先を内側に向ける動作(内旋)、また股関節を閉じる動作(内転)によって滑液包に負担が繰り返しかかり痛みが生じます。アスリートをはじめとしたスポーツ選手に生じやすいのですが 、階段の昇降動作が多い方、自宅やオフィスなどで螺旋階段を毎日のように使用する方や膝の屈伸動作が多い方などは誘発されやすくなります。また、変形性膝関節症や打撲などをきっかけに発症することもあります。

スネの骨の内側(膝から3-7㎝ほど下)に圧痛(押すと痛い)、腫れ熱感などが見られます。
膝の屈曲時(曲げる動作)に痛みを感じ、特に曲げ始めと曲げ終わり(エンドポイント)で痛みが強くなります。また、鵞足部を構成する半腱様筋が膝の後方から膝に向かって伸びてきているため、鵞足炎になると筋収縮が発生し、膝内側の後方に違和感や痛みを生じることもあります。
その他、膝関節が「ぐらぐらする」ように感じる膝の不安定感も感じることがあります。

①痛みが落ち着いてきたら、大腿のストレッチが有効です。大腿の前、内側、後ろのストレッチを行ってください。その際痛みが増強するようでしたら無理に行わないようにしましょう。

②市販の湿布薬なども有効です。

①低出力超音波治療・・・鵞足部にある滑液包及びその周囲の腱に超音波治療をおこないます。
これは私が鵞足炎になった時におこなった治療法で、高い治療効果が期待できます。

②電気治療・・・低周波の治療器を使用し、縫工筋、半腱様筋、薄筋の筋緊張を和らげます。

③手技療法・・・大腿部の筋肉をマッサージします。

④鍼治療・・・縫工筋、半腱様筋、薄筋の下部(遠位部)に鍼治療をおこないます。
(鍼治療はご本人と相談の上決定します。)

⑤テーピング・・・必要に応じてテーピングをします。

鵞足炎は長期化することがあります。日常生活動作やスポーツ時のフォームなどの影響が大きい場合が多く見られます。足の使い方など、必要に応じてアドバイスさせていただきます。
痛みを感じましたら、出来るだけ早期の治療開始が望ましいと思います。

この記事の著者

北城 雷太

あおぞら整骨院・鍼灸院院長
柔道整復師

あおぞら整骨院・鍼灸院を開院する前は、東京の整骨院にて分院長を務めさせていただいておりました。その後三島にて開院し15年目を迎えております。この間、様々な経験をさせていただき、また現在の治療にこの経験を生かすべく、日々精進しております。
この15年間で世界は驚くほどに大きく変化してまいりました。同じように、健康に対する考え方、医療の分野でも大きな変化(進化)がみられます。我々治療家も、日々多くのことを学び成長しなければなりません。進化してこそ、患者様の痛みを効率よく取り除けると私は信じています。

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