「捻挫していないのに足首の外側が痛い」、「捻挫がなかなか治らない」それは「腓骨筋腱炎」かもしれません。

腓骨筋腱ってなに?
腓骨筋腱とは、腓骨の外側に付着している長腓骨筋と、短腓骨筋の2種類があり、合わせて腓骨筋と呼んでいますが、この筋肉が骨に付着する手前で腱に変化します。その腱の部分が腓骨筋腱です。
腓骨筋は足関節の底屈(つま先を下に下げる)、外反(小趾側を持ち上げる)動作などで主に働きます。

腓骨筋腱炎の主な原因と症状
主な原因
1.運動によるオーバーユース(使い過ぎ)・・・スポーツなどによる繰り返しのストレス。
2.足関節の不安定性・・・足首の捻挫を繰り返すと、関節が不安定になります。それを安定させるために腓骨筋が過度に収縮します。
3.足関節のアライメント異常・・・扁平足、回内足などにより腓骨筋腱へのストレスが増加します。
その他、腓骨筋の筋力低下や柔軟性低下もリスク因子となります。
主な症状
1.外くるぶしの後ろの痛み・・・歩行時、蹴りだしの動作、つま先立ち等で痛みが出ます。
2.腫脹、発赤、圧痛・・・痛む部分が腫れたり、赤くなる、押すと痛いといった症状が出ることがあります。
セルフケアと予防
ストレッチやトレーニングを行うことで、腓骨筋の柔軟性及び筋力を向上させます。
これにより、運動のパフォーマンスが向上するだけでなく、怪我のリスクが減少します。
ストレッチ
座った状態で足を組み、下図のように足の小指側を上へ持ち上げます。
10~15秒程度で3回行います。痛みが出ない範囲で行ってください。

腓骨筋のトレーニング
①立った状態で、親指及び母指球を床に押し付けながら、小指側を持ち上げます。
5秒ほどその状態をキープします。この動作を10回×3セット程度。

②座った状態で、足にチューブをひっかけます。足先だけ外側に開きます。
5秒ほどその状態をキープします。この動作を10回×3セット程度。
*チューブ・・・市販のトレーニング用チューブ

治療
物理療法・・・低出力超音波治療
電気治療・・・低周波治療器
手技療法・・・足のマッサージ
テーピング・・・症状により行います。テーピングは非常に有効なので、ご自身で出来るように貼り方の説明をさせていただきます。

痛みが長期化すると、慢性化することもありますので、早い時期に治療を開始されることをお勧め致します。