変形性膝関節症の対処法とは - あおぞら整骨院・鍼灸院

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膝の痛み

変形性膝関節症の対処法とは

#加齢疾患

膝の痛みを感じる方は、主に中高年に見られます。朝起きあがる時、椅子や床から立ちあがる時、階段を降りる時など、日常の動作で膝に痛みを感じるようになります。
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)は、関節にある軟骨がすり減ったり、骨と骨がこすれて変性することで、炎症や痛みなどがでる病気です。

痛みと変形の原因

膝関節の表面は軟骨で覆われています。変形性膝関節症では、加齢や内反膝(O脚)、肥満などが原因となり関節の軟骨が摩耗(すり減る)します。その軟骨のかけらが、関節の内側を覆う滑膜を刺激することで炎症が生じます。その結果、膝の屈伸動作による痛みが発生したり、関節内に水がたまったりします。

ひざの変形は、軟骨が摩耗た結果、骨どうしがぶつかり合うことで進行していきます。
大腿骨(だいたいこつ)と脛骨(けいこつ)が直にぶつかり続けると、互いの骨をすり減らしていき、やがて骨が変性し、骨棘(こつきょく)という骨のとげができます。
骨棘の形成が進行すると、膝の変形も進行します。

変形性膝関節症になりやすい人

〇肥満気味の方
〇内反膝の方
〇40代以降の方
〇女性
〇膝に負担がかかる仕事をやられている方
〇加齢による足の筋力低下

変形性膝関節症と診断されたら

整形外科にて変形性膝関節症の診断を受けた方は消炎鎮痛剤(内服薬、貼布剤)とヒアルロン酸関節内注射が、最も頻度が高く用いられています。
そして、その治療と並行して必要なのが運動療法です。

変形性膝関節症が進行してくると、痛みで足を動かす機会が少なくなり、膝を支える筋肉が衰え、関節が不安定になります。そうすると、ますます膝に負担がかかって痛みが強くなり、病態が進行するという悪循環に陥りがちです。
さまざまな研究においても、筋力のある方と弱い方を比較すると、筋力の弱い方が変形性膝関節症を発症しやすいこともわかっています。
膝を支える筋肉を鍛えることで、痛みを軽減し、ひざへの負担を軽くすることができます。
膝の重症度にかかわらず、全ての方が対象となります。

自宅でできる運動療法

①大腿四頭筋(太ももの前)トレーニング

膝に加わる衝撃を吸収したり、膝を伸ばす時に使われる筋肉です。この筋肉を鍛えることで、膝への負担軽減が期待できます。

a.背中を椅子の背もたれから離し、背すじを伸ばした状態で座ります。
b.床と平行になるようゆっくりと膝を伸ばし、5~10秒間保持します。
*左右20回ずつ行います。1日に2回頑張りましょう。

ハムストリング(太ももの後ろ)トレーニング

ハムストリングとは大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋という3つの筋肉で構成される太ももの後ろにある筋肉の総称です。膝を曲げたり、股関節を後ろに反らす働きのある筋肉です。
この筋肉が弱くなり硬くなってくると、膝を伸ばしにくくなり関節に負担が生じてきます。

a.椅子やテーブルに手を添えてまっすぐに立ちます。
b.ゆっくりとかかとを後ろへ引き上げて5秒間保持します。その際に体が前に傾かないようにします。
*左右20回ずつ行います。1日に2回頑張りましょう。

③内転筋(太ももの内側)トレーニング

内転筋とは恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋という4つの筋肉から構成される太ももの内側にある筋肉の総称です。主に股関節を内側に閉じる働きがある筋肉です。
この筋肉は、膝関節の安定に必要な筋肉であると同時に、太ももが外側に開く(o脚)のを防いでくれます。

a.背中を椅子の背もたれから離し、背すじを伸ばした状態で座ります。
次に膝の間に硬めのクッションやまくらなどを挟みます。
b.内ももに力を入れながらクッションを潰すようにして5秒間保持します。これを5回繰り返します。
*1日に2回頑張りましょう。

④大殿筋(おしり)トレーニング

大殿筋はおしりの筋肉で、主に歩く動作で活躍します。この筋肉が弱くなると、歩く際に前に進む力が弱くなってしまいます。
また立ち上がる時や階段を昇り降りする時も力が入りにくくなり、動作が困難になる場合があります。

a.仰向けに寝て膝を立てます。
b.お尻をゆっくりと床から持ち上げていき、太ももとお腹が直線になるまで持ち上げて3秒間保持します。その後ゆっくりと下ろします。これを5回繰り返します。
*1日に2回頑張りましょう。腰が痛い場合は、痛みが落ち着いてから実施しましょう。

症状を悪化させないために気を付けること

①体重の管理・・・肥満気味になると膝への負担が増大します。標準的な理想体重として、BMI値22前後を目標に頑張りましょう。3kg体重を落とすと、歩行時の膝にかかる負担が9kg程度軽減できます。

②膝を冷やさないようにする・・・膝は冷えると痛みが出やすくなります。サポーターなどを使用し、温めるようにしましょう。

③クッション性の良い靴を選ぶ・・・クッション性がある靴を使用すると、膝への衝撃が緩和され、進行を抑える効果が期待できます。インソール(中敷き)でもクッション性を高めることが出来ます。

④膝に負担がかかる動作を減らす・・・正座や和式トイレの使用を避ける事や、重たいものを持たないようにしましょう。

治療

①低出力超音波治療

②電気治療(低周波治療器、中周波治療器)

③足のマッサージ

④鍼灸・・・鍼治療や灸を施術する場合もあります。

変形性膝関節症は進行すると手術の選択が必要になる場合があります。
その前に重要なことは、現在の痛みを治療により緩和し、必要な運動を継続する事です。それにより膝への負担軽減、運動機能の改善が期待できます。

この記事の著者

北城 雷太

あおぞら整骨院・鍼灸院院長
柔道整復師

あおぞら整骨院・鍼灸院を開院する前は、東京の整骨院にて分院長を務めさせていただいておりました。その後三島にて開院し15年目を迎えております。この間、様々な経験をさせていただき、また現在の治療にこの経験を生かすべく、日々精進しております。
この15年間で世界は驚くほどに大きく変化してまいりました。同じように、健康に対する考え方、医療の分野でも大きな変化(進化)がみられます。我々治療家も、日々多くのことを学び成長しなければなりません。進化してこそ、患者様の痛みを効率よく取り除けると私は信じています。

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