寝ても眼の疲れがとれない!・・・それは眼精疲労かもしれません。
こんにちは。青木です。
だいぶ暖かくなってきましたね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?
今回は「眼精疲労」についてのお話です。
眼精疲労や疲れ目が原因となり、様々な症状(頭痛や首肩の痛み、全身の倦怠感や不調)を引き起こします。当院にもこのような症状でお悩みの方が、かなり多くいらっしゃいます。今回もどうぞ最後までご覧ください。

現在の日本ではスマートフォンは一人一台、パソコンであれば一家に一台が多いのではないでしょうか。お仕事や趣味で使用する方もいらっしゃると思います。また、日本総務省の「国勢調査」によるとデスクワークが中心だと考えられる人は約28%と非常に高いとされており、液晶画面を使用してお仕事する方も多いようです。
このような長時間ディスプレイを凝視する事で起こる様々な症状を「VDT(Visual Display Terminal)症候群」といいます。症状は幅広く、眼精疲労や頭痛、肩こり、腰痛、不眠、ドライアイなど全身に症状が出ることもあります。
特に首肩コリを訴える割合が多く、次いで疲れ目や眼精疲労が多いです。しかし、「眼の酷使」が起因となり首肩や全身に不調が出ている可能性もあります。今回はこの「眼精疲労」について詳しく説明していきます。
疲れ目と眼精疲労
眼を使いすぎると一時的に感じる眼の症状を「疲れ目」としており、睡眠や休息をとると回復します。
眼を休めても症状が回復しない状態を日本眼科学会では「眼精疲労」としています。
眼精疲労になりやすい人や職業
1.目の酷使による眼精疲労
・スマートフォンやパソコンなどの液晶画面を長時間使用している方
・眼鏡、コンタクトレンズの度数があっていないものを使用している方
・遠視や近視、乱視などの屈折異常や老眼がある方
2.精神的や身体による眼精疲労
・副交感神経よりも交感神経の方が優位になっている方
・ストレス、過労、睡眠不足がある方
3.職業が原因となり得る眼精疲労
・長時間パソコン使用する職業(プログラマー、医者、システムエンジニア、アニメーター、漫画家など)
眼精疲労のメカニズム
〇西洋医学(現代医学)の観点から
眼精疲労の多くは、ディスプレイの長時間使用による眼の酷使です。ではなぜ画面をみると眼は疲れるのでしょうか。それは眼の構造が関係しています。
眼には水晶体という組織があり、眼球内のレンズの役割を果たす透明な組織で、厚さを変えてピントを合わせます。その水晶体に付着している毛様体筋が収縮・弛緩することで焦点を調整しています。
自分から近いところを見ているとき毛様体筋は収縮し、遠いところを見るときは弛緩しています。つまりパソコンやスマートフォンを使用しているとき毛様体筋は常に収縮しているのです。また、毛様体筋は自律神経が支配しているので長時間のパソコン作業などは自律神経のバランスを崩し全身に症状に繋がる可能性もあります。

〇東洋医学の観点から
目の使い過ぎにより目への精血(食事から生成された、身体の器官・組織を滋養する血液)の供給が間に合わなくなる状態をさします。
東洋医学では肝と胆1は血液関係と密接な関係があり、特に肝の血液機能が低下すると目への栄養が十分に供給出来ず、眼精疲労が起こることが多いです。
したがって、東洋医学の治療を行う際は肝や胆、血液循環に関わる経穴(ツボ)にも施術を行う場合があります。
- 肝(かん)は、伝統中国医学における五臓(肝・心・脾・肺・腎)のひとつです。その働きは、現代医学の肝臓とは全く違っています。「血を宿すところ」とされ、血の貯蔵庫である。
胆(たん)は、伝統中国医学における六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦さんしょう)のひとつです。その働きは、現代医学の胆嚢(胆臓)とは全く違っています。「決断を主る」とされ、胆汁の貯蔵と排泄をする作用がある。
また、肝と胆は表裏関係にあり、生理的にも病理的にも相互に影響を及ぼす性質があります。
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眼精疲労と首こり
眼精疲労と首こりには深い関係性があります。
首こりと言っても主に関与する筋肉は「後頭下筋群(こうとうかきんぐん)」です。後頭下筋群は首と頭の境目の深層に位置しておりピント合わせや瞼の動きをコントロールする役割があります。眼球運動に合わせて収縮が起こる為、頭や首を動かさない場合でも収縮が起こります。
後頭下筋群に疲労が蓄積されると眼球運動のコントロールが乱れ、焦点が合わせにくくなり、頭痛や首の痛みにもつながります。
他にも筋肉が緊張すると頭への血流が阻害され脳に過度のストレスが伝わる事で自律神経にも影響が出る可能性があります。自律神経に影響を受けると交感神経が優位になりリラックスしにくくなります。まばたきの回数や涙の分泌量も減少しドライアイの原因にもなります。

治療
眼精疲労の治療は症状の程度やいつから症状を自覚したかなどを詳しく問診した上で、局所治療か全身治療なのかを決定していきます。
局所治療
主に眼の周囲にプラスして後頚部にも施術していきます。使用する経穴(ツボ)は、眼の周囲であれば「四白(しはく)」、「瞳子髎(どうしりょう)」、「太陽」、「攅竹(さんちく)」、「魚腰(ぎょよう)」などに鍼やお灸をしていきます。後頚部では「天柱(てんちゅう)」、「風地(ふうち)」で、これらは後頭下筋群を緩めることを目的として刺鍼、施灸を行います。

全身治療
上記の経穴(ツボ)以外に「肝兪(かんゆ)」、「胆兪(たんゆ)」、「合谷(ごうこく)」、「太衝(たいしょう)」などの経穴(ツボ)にもアプローチしていきます。これらは肝や胆、血液に関与する経穴(ツボ)で眼精疲労に有効とされています。

