「子供(1~6歳)が急に腕を動かさなくなった」それは「肘内障」かもしれません。

「子どもの手を急に引っ張った後、腕を持って動かさなくなった」
「手を付いた後から肘を持ち、急に元気がなくなった」
このような時は肘内障(ちゅうないしょう)の可能性があります。今回は肘内障について見ていきましょう。
肘内障とは
子供の「肘が抜けた」、「腕が抜けた」、「肩が抜けた」のような訴えでいらっしゃる方が多いです。
肘内障とは、子どもの手や腕を急に引っ張ったときなどに肘の輪状靭帯(りんじょうじんたい)というわっか状の靱帯から橈骨頭(とうこつとう)が外れかかり、腕がうまく動かせなくなる亜脱臼(あだっきゅう)のことです。

症状
肘内障では腕を動かそうとすると痛みがあるため、
①腕を下に垂らしたまま動かさなくなる。
②腕を持った(抱えた)まま動かさなくなる。
③腕を持ったまま元気が無くなる。(泣く)
といった症状が見られます。
原因
「手や腕を急に引っ張る」という動作で発症する事が最も多いのですが、その他に
〇転んで手をついた
〇寝返りをうって手を巻き込んだ
〇体の下に腕を敷いた
などがあります。
治療
肘内障の治療は徒手整復(としゅせいふく)という方法で行います。
これは、手で骨を元の位置に戻す整復です。整復は愛護的に行いますが、軽い痛みを伴うので泣いてしまうお子さんもいます。時間は数秒から数十秒で終わります。
整復後は固定する必要もなく、痛みは無くなるので腕を自由に動かせるようになります。

肘内障かな?と思っても慌てなくて大丈夫ですよ。すぐにご来院ください。
あっという間に笑顔が戻ると思います。