足
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足の親指の裏(母趾球)が痛い!・・・それは「種子骨障害」かもしれません。
種子骨障害とは 種子骨(しゅしこつ)とは、種子のような丸い形をしている骨で、腱や靭帯を円滑に動かす機能や、骨と腱の摩擦を減らしたり、腱の脱臼(腱がずれること)を防いだりする機能があります。 種子骨は親指の付け根の足裏側の内側と外側に2つあります。種子骨障害とは、この種子骨に炎症や骨折が生じて痛みが出たり腫れる状態です。体重をかけたり、踏み込んだりする動作で痛みを感じることが多く、その痛みで歩行やスポーツに支障が生じます。 症状 〇荷重時痛・・・歩行時やランニング時に母趾球に痛みを感じます。 〇圧痛・・・母趾球を押すと痛みを感じます。 〇親指を強く反らすと母趾球に痛みを感じます。 症状が進行すると足を地面につけただけでも痛みがあり、歩行も困難になってきます。 原因 ランニングやダッシュなどで地面を蹴り出すとき、足底筋は緊張し、種子骨には牽引力が加わります。また、ジャンプ時の着地により、種子骨に強い負荷がかかります。このような強い負荷や牽引力が繰り返し加わるスポーツで炎症が起こります。(陸上競技、バスケットボール、剣道など) また、スポーツ以外でもハイヒールをよ…
足がつる・夜中に足がつって辛い!「こむら返り」の改善方法とは
以前私はほとんどこむら返りを経験しなかったのですが、先日ゴルフ帰りの運転中に突然足がつり、恐怖を感じ、車を安全なところに停車して回復を待ちました。右足だったため、運転に支障が出たのです。今回は突然やってくる「こむら返り」の原因や対処法、予防法などについてお話ししたいと思います。 こむら返りとは? 「こむら」とは「ふくらはぎ」を指す言葉です。ここでは、「筋肉がつる」状態の事を医学的には「有痛性筋痙攣(ゆうつうせいきんけいれん)」といいますので、この呼び方でお話ししていきます。この有痛性筋痙攣はふくらはぎだけではなく、体のあらゆる部位で起こります。すねの筋肉、太もも、胸、腹筋、背筋、腕などです。有痛性筋痙攣を起こすと、強い痛みを伴いますが、ほとんどの場合は数分間でおさまります。ではなぜ痙攣がおこるのでしょうか? 筋肉は、過剰に伸びたり収縮したりすると、無理な動きによって傷めてしまいます。それを防ぐために、2つのセンサーが備わっています。伸びすぎを防ぐのが筋紡錘(きんぼうすい)、縮みすぎを防ぐのが腱紡錘(けんぼうすい)です。そのうちの腱紡錘の働きが低下すると、筋肉が異常に収縮し、痙攣…
スポーツ外傷の中で最も多く、約3割を占める「足関節捻挫」放置しないほうがいい理由とは
足関節捻挫とは? 足関節捻挫(そくかんせつねんざ)とは、足首の関節を捻ることによって発生するケガで、くるぶしの周りに痛み、腫れ、圧痛、内出血などの症状が現れます。また、ほとんどのケースで足関節周囲の靱帯を損傷するので、「足関節靭帯損傷」とも呼ばれます。 スポーツ外傷の中で最も頻度が高く、その多くが外側の靭帯が損傷する内反捻挫です。日常生活でも捻挫はよく起こるため、放置されることも多いようです。しかし放置してしまうと、痛みが長期化したり、関節が不安定になり再発しやすくなってしまうのです。(再発率50%~70%)また、何度も捻挫を繰り返してしまうと、「慢性足関節不安定症(CAI)」に移行することがあります。(移行率10~30%)以上の理由から、捻挫の放置は避けたほうが良いでしょう。 捻挫には2種類あります。 〇内反捻挫・・・足を内側に捻る(内反)ことで起こる捻挫で、捻挫の多くはこのタイプです。バレーボール、バスケットボール、サッカー、野球、柔道など、様々な競技で起こります。もちろん日常生活でも起こります。 〇外反捻挫・・・足を外側に捻る(外反)ことで起こる捻挫で、ラグビー、レスリング、柔道…
子供の「かかとが痛い!」は、セーバー病かもしれません。
私は小学生の時、少年野球をやっていました。4年生になってから、両足のかかとが痛くなり、走るのがつらい時期がありました。その当時、同じようにかかとが痛む友達が数人いたことを覚えています。痛みは1年くらい続いたような記憶があります。今回は子供特有の痛みである「かかとの痛み」についてお話をします。 10歳前後に多く見られるセーバー病とは? セーバー病(シーバー病)は1900年代前半にこの病気について報告をしたアメリカの整形外科医、ジェームス W. セーヴァーに由来しています。正式名称は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」といいます。 成長期の子供のかかとには、骨が成長していく部分である、踵骨軟骨(成長軟骨、骨端線)があります。その先に踵骨骨端核があります。 この踵骨骨端核にアキレス腱が付着しています。セーバー病は、そこに運動によりアキレス腱の引っぱる力が持続的に加わることで、踵骨骨端核がはがれたり、その手前の踵骨軟骨(成長軟骨)に炎症が起こっている状態です。 セーバー病の症状 ①運動時(運動後)のかかとの痛み。走ったり、ジャンプなどで痛みが強くなる場合があります。軽症では、…
捻挫
【原因・症状】
足首の捻挫は、足首を強くひねった際に靭帯が傷ついたり、断裂したりすることをいいます。捻挫した時の主な症状は足首が腫れたり、歩くと痛みを感じるといったことです。
足首をひねった場合、主に足首の外くるぶし周囲や内くるぶし周囲が腫れてきたり、内出血すると青あざができたりします。熱を持つこともあります。
捻挫はどの靭帯がどの程度伸びて損傷を受けたかで、重症度合いが決まります。
捻挫の重症度の分類としては第1度(軽度)、第2度(中等度から重度)、第3度(非常に重度)の3つです。
第1度の場合、テーピングや湿布を施します。
第2度の場合、包帯固定やシーネ固定を施し、場合によっては松葉杖をお貸しします。
第3度の場合、合併症(骨折など)が考えられる場合もあるので整形外科を紹介します。
捻挫を引き起こした場合の応急処置は覚えていた方が良いでしょう。
<RICE処置>
R=Rest(安静)~足首をあまり動かさないようにします。可能であれば足首が90度になるようにして固定します。
I=Icing(冷却)~水や氷嚢を利用して冷します。内出血や腫れを抑えます。
C=Compression(圧迫)~足首にテープ等を軽く巻いて圧迫します。内出血や腫れを抑えます。
E=Elevation(挙上)~足首を心臓よりも上にすることで腫れや内出血を防ぐことが可能です。
【治療】
物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波、高周波)
鍼灸:捻挫の後遺症などに鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
固定:シーネ、包帯、テーピング、湿布などを施します。必要に応じて松葉杖を貸し出します。
アキレス腱炎・周囲炎
【原因・症状】
アキレス腱炎・周囲炎は、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることにより、パラテノン(アキレス腱を包む膜)や脂肪組織(アキレス腱の奥にある組織)に炎症が生じ、肥厚したり癒着することで痛みを引き起こします。
足首は多くの体重がかかる部位で、走ったり、ジャンプするなどの動作で体をわずかにねじる癖があったり、骨盤が左右にブレたりすることでアキレス腱周囲が過度に引っ張られます。このような動作が繰り返されるとアキレス腱周囲に過剰な負担が生じ、炎症が引き起こされ、結果としてアキレス腱炎・周囲炎を発症します。
アキレス腱の炎症(圧痛や腫れ、熱感等)を確認し、足首を動かして圧痛の場所が移動するか確認します。痛みの場所が移動するとアキレス腱炎、移動しなければアキレス腱周囲炎が疑われます。
【治療】
物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波、高周波)
手技療法:下腿のマッサージ、ストレッチ(急性期は除く)
鍼灸:患部に直接鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:テーピングを施す場合があります。
肉離れ
【原因・症状】
基本的にスポーツによるものが多く、筋肉が伸ばされながら収縮すると、筋力に負けて筋部分断裂を生じることがあります。それが『肉離れ』です。
重症度により3つに分類されています。
1度:筋線維の断裂は無く、筋細胞が傷つき炎症が起きたもの。受傷後1~2週間でスポーツ復帰が可能です。
2度:筋線維の部分断裂があり圧痛、腫脹、内出血が認められるもの。受傷後4週間~3カ月でスポーツ復帰が可能です。
3度:筋線維の完全断裂が認められるもの。手術が必要な場合がある為、整形外科を受診してください。受傷後3カ月~6カ月でスポーツ復帰が可能です。
ほとんどの場合、1度、2度でリハビリ後の復帰が多く見られます。
<受傷直後の応急処置> 受傷後2日間では氷やアイスパックなどによる冷却、包帯による圧迫、枕などでの挙上を行い安静にします。特に受傷直後のアイシングは内出血を最小限にするために重要です。
<有効なストレッチ>
大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチ
【治療】
物理療法:超音波治療、電気治療(高周波)
手技療法:下肢のマッサージ(受傷後2~3週間後から)、ストレッチ(1か月後からでストレッチ痛を確認しながら行う)
鍼灸:受傷後10日前後経過してから患部に鍼治療を行うことで、筋収縮を緩和し、回復力を高めます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:受傷直後の場合は包帯による圧迫固定をします。その後、サポーターの装着をご提案する場合もあります。
足底腱膜炎
【原因・症状】
足底腱膜炎とは、足裏のかかとから足指の付け根の足底腱膜で炎症・痛みが起こる疾患です。朝起きてから、あるいはしばらく休んでからの第一歩目など、安静後の始動時に痛みが出やすいという点が特徴として挙げられます。また、重症化すると安静時もジンジンと痛む場合もあります。
マラソンなどの足裏に負担のかかる運動、長時間の立ち仕事などが主な原因となります。若い世代よりも、中高年での発症が目立ちます。また、凹足(ハイアーチ)や偏平足など、足底の形状も影響するようです。
<足底腱膜炎になったら>
・原因になったと思われるスポーツや動作があったら制限してください。(長時間立ちっぱなし、ジャンプ、ダッシュ、長距離走、ダンスなど)
・合わない靴を履かない。また、スリッパ、ビーチサンダル、ハイヒールなども避けた方が良いでしょう。
・足底腱膜やふくらはぎのストレッチは非常に有効です。
・初期に適切な治療をしないと「難治性足底腱膜炎」に移行し、1年から数年間痛みが持続する場合もあります。
【治療】
物理療法:超音波治療、電気治療(低周波)
手技療法:下腿、足底のマッサージ、ストレッチ
鍼灸:下腿部に鍼治療を行い、足底に灸を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:有効なテーピングをご提案します。