足
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肉離れ(筋挫傷)・突然起こる足の痛み
肉離れになる方は男性が多く、スポーツによるものが大半を占めます。好発年齢層は10代から20代となっていますが、30代から40代の方も多い印象があります。 肉離れとは? 肉離れとは筋膜や筋線維が損傷、断裂するケガです。筋肉が伸ばされながら収縮すると、筋力に負けて筋肉の部分断裂を生じることで起こります。 急激なダッシュやジャンプなどを行うスポーツ、重量物などを扱う仕事、筋肉の疲労が蓄積されている状態、筋力が低下している状態、運動前の準備体操不足などが発症のリスクを高くします。 好発部位 1.ハムストリング(太ももの後ろ側)2.ふくらはぎ3.大腿四頭筋(太ももの前側)、内転筋(太ももの内側) 上記以外の部位でも、少ないですが肉離れになることがあります。数年前には前腕(肘から先の部分)の肉離れを治療したことがあります。その方はゴルフで「ダフったら激痛が走った」とおっしゃってました。(「ダフる」とはゴルフボール手前の地面を打つミスショットのこと) 症状 肉離れになった時点で「プチッという音がした」や「突然力が抜けるような感じ」の後、鋭い痛みが現れます。 その後〇患部を押すと痛い(圧痛)…
スネが痛い!それは「シンスプリント」=「脛骨過労性骨膜炎」かもしれません
シンスプリントって何? シンスプリント(=脛骨過労性骨膜炎、脛骨内側ストレス症候群)とは、下腿(膝から下)内側に位置する脛骨(スネ)の下方1/3に痛みが発生することを特徴とする病態で、痛みが脛骨に沿ってうずくような鈍痛や圧痛が見られます。 シンスプリントはオーバーユース症(使いすぎ症候群)のひとつで、高頻度で運動をしている人がなりやすく、ランニングや繰り返しのジャンプなど(マラソン、サッカー、バスケットボール、テニス、バレーボール)の下肢を酷使するスポーツで起こりやすくなります。 その他のリスク因子としては ①扁平足や回内足 ②下肢の筋力低下や柔軟性の低下 ③合わない靴を履いている(サイズ、土ふまずの形状、クッションの硬さ) ④コンクリートなど、硬い路面でのランニングまたは練習 ⑤体重の増加 などが挙げられます。 症状発生のメカニズム ふくらはぎを構成する筋肉の一部である下腿三頭筋、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋は、脛骨に付着しています。この筋肉が骨膜(骨を覆う膜)を繰り返し強い筋力で牽引すると、骨膜炎(骨膜の微細損傷)を引き起こし、下腿内側の痛みを発生させま…
「足の裏が痛い!」「かかとが痛い!」それは「足底腱膜炎」かも
足底腱膜炎とは? 足底(足の裏)には足底腱膜という丈夫な膜があります。 かかとの骨から足の指の付け根にかけて、繊維状の腱が膜のように広がっています。これが足底腱膜です。 これは足底の土踏まず(縦アーチ)を保持して、歩行やジョギングなどによる衝撃を吸収する役割があり、その吸収した力を蹴り出しのエネルギーとして活用するウインドラス機構を備えています。 ウインドラス機構とは・・・足が着地して蹴り出す際に指が背屈することにより足底腱膜が巻き上げられ、足のアーチが挙上します(土踏まずが高くなる)。すると挙上したアーチは元に戻ろうとする力を生み出し、これが前に進むための推進力となり、蹴り出し(踏み返し)動作として働いています。 この足底腱膜で炎症・痛みが起こる疾患が足底腱膜炎です。 朝起きてから、あるいはしばらく休んでからの第一歩目など、安静後の始動時に痛みが出やすいという点が特徴として挙げられ、かかと周囲の痛みの原因の中で最も頻度が高いものです。重症化すると荷重時(歩行時など)は常に痛みを感じるようになり、日常生活に影響が出始めます。 当院にも足底腱膜炎でお悩みの方々がいらっしゃいま…
捻挫
【原因・症状】
足首の捻挫は、足首を強くひねった際に靭帯が傷ついたり、断裂したりすることをいいます。捻挫した時の主な症状は足首が腫れたり、歩くと痛みを感じるといったことです。
足首をひねった場合、主に足首の外くるぶし周囲や内くるぶし周囲が腫れてきたり、内出血すると青あざができたりします。熱を持つこともあります。
捻挫はどの靭帯がどの程度伸びて損傷を受けたかで、重症度合いが決まります。
捻挫の重症度の分類としては第1度(軽度)、第2度(中等度から重度)、第3度(非常に重度)の3つです。
第1度の場合、テーピングや湿布を施します。
第2度の場合、包帯固定やシーネ固定を施し、場合によっては松葉杖をお貸しします。
第3度の場合、合併症(骨折など)が考えられる場合もあるので整形外科を紹介します。
捻挫を引き起こした場合の応急処置は覚えていた方が良いでしょう。
<RICE処置>
R=Rest(安静)~足首をあまり動かさないようにします。可能であれば足首が90度になるようにして固定します。
I=Icing(冷却)~水や氷嚢を利用して冷します。内出血や腫れを抑えます。
C=Compression(圧迫)~足首にテープ等を軽く巻いて圧迫します。内出血や腫れを抑えます。
E=Elevation(挙上)~足首を心臓よりも上にすることで腫れや内出血を防ぐことが可能です。
【治療】
物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波、高周波)
鍼灸:捻挫の後遺症などに鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
固定:シーネ、包帯、テーピング、湿布などを施します。必要に応じて松葉杖を貸し出します。
アキレス腱炎・周囲炎
【原因・症状】
アキレス腱炎・周囲炎は、アキレス腱に繰り返し負荷がかかることにより、パラテノン(アキレス腱を包む膜)や脂肪組織(アキレス腱の奥にある組織)に炎症が生じ、肥厚したり癒着することで痛みを引き起こします。
足首は多くの体重がかかる部位で、走ったり、ジャンプするなどの動作で体をわずかにねじる癖があったり、骨盤が左右にブレたりすることでアキレス腱周囲が過度に引っ張られます。このような動作が繰り返されるとアキレス腱周囲に過剰な負担が生じ、炎症が引き起こされ、結果としてアキレス腱炎・周囲炎を発症します。
アキレス腱の炎症(圧痛や腫れ、熱感等)を確認し、足首を動かして圧痛の場所が移動するか確認します。痛みの場所が移動するとアキレス腱炎、移動しなければアキレス腱周囲炎が疑われます。
【治療】
物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波、高周波)
手技療法:下腿のマッサージ、ストレッチ(急性期は除く)
鍼灸:患部に直接鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:テーピングを施す場合があります。
肉離れ
【原因・症状】
基本的にスポーツによるものが多く、筋肉が伸ばされながら収縮すると、筋力に負けて筋部分断裂を生じることがあります。それが『肉離れ』です。
重症度により3つに分類されています。
1度:筋線維の断裂は無く、筋細胞が傷つき炎症が起きたもの。受傷後1~2週間でスポーツ復帰が可能です。
2度:筋線維の部分断裂があり圧痛、腫脹、内出血が認められるもの。受傷後4週間~3カ月でスポーツ復帰が可能です。
3度:筋線維の完全断裂が認められるもの。手術が必要な場合がある為、整形外科を受診してください。受傷後3カ月~6カ月でスポーツ復帰が可能です。
ほとんどの場合、1度、2度でリハビリ後の復帰が多く見られます。
<受傷直後の応急処置> 受傷後2日間では氷やアイスパックなどによる冷却、包帯による圧迫、枕などでの挙上を行い安静にします。特に受傷直後のアイシングは内出血を最小限にするために重要です。
<有効なストレッチ>
大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチ
【治療】
物理療法:超音波治療、電気治療(高周波)
手技療法:下肢のマッサージ(受傷後2~3週間後から)、ストレッチ(1か月後からでストレッチ痛を確認しながら行う)
鍼灸:受傷後10日前後経過してから患部に鍼治療を行うことで、筋収縮を緩和し、回復力を高めます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:受傷直後の場合は包帯による圧迫固定をします。その後、サポーターの装着をご提案する場合もあります。
足底腱膜炎
【原因・症状】
足底腱膜炎とは、足裏のかかとから足指の付け根の足底腱膜で炎症・痛みが起こる疾患です。朝起きてから、あるいはしばらく休んでからの第一歩目など、安静後の始動時に痛みが出やすいという点が特徴として挙げられます。また、重症化すると安静時もジンジンと痛む場合もあります。
マラソンなどの足裏に負担のかかる運動、長時間の立ち仕事などが主な原因となります。若い世代よりも、中高年での発症が目立ちます。また、凹足(ハイアーチ)や偏平足など、足底の形状も影響するようです。
<足底腱膜炎になったら>
・原因になったと思われるスポーツや動作があったら制限してください。(長時間立ちっぱなし、ジャンプ、ダッシュ、長距離走、ダンスなど)
・合わない靴を履かない。また、スリッパ、ビーチサンダル、ハイヒールなども避けた方が良いでしょう。
・足底腱膜やふくらはぎのストレッチは非常に有効です。
・初期に適切な治療をしないと「難治性足底腱膜炎」に移行し、1年から数年間痛みが持続する場合もあります。
【治療】
物理療法:超音波治療、電気治療(低周波)
手技療法:下腿、足底のマッサージ、ストレッチ
鍼灸:下腿部に鍼治療を行い、足底に灸を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:有効なテーピングをご提案します。