・オスグッド・シュラッター病
・半月板損傷

・膝蓋腱炎・膝蓋大腿靱帯炎(ジャンパー膝)
・変形性膝関節症

  

オスグッド・シュラッター病

【原因・症状】

オスグッド・シュラッター(Osgood-Schlatter)病は、アメリカの医師Osgoodとドイツの医師Schlatterによって報告されたため、オスグッド病やシュラッター病と呼ばれることもありますが、正式にはオスグッド・シュラッター(Osgood-Schlatter)病と呼ばれています。

  

成長期の脛骨近位端に生じる骨端症であり、脛骨結節に限局した痛みと腫れ、脛骨結節の触診時の痛みを特徴とします。10歳から15歳の年齢層が最も多く発症します。
成長期では、膝関節を構成する大腿骨と脛骨の成長軟骨が成熟する過程で、長軸が伸びるため、大腿四頭筋の伸長が追い付かず、相対的に筋と、筋と骨をつなぐ腱が短縮した状態になります。大腿四頭筋が短縮し骨に対する牽引力がかかりやすくなっている状態で、かつにキックやジャンプ動作などによる、強い筋肉の収縮が繰り返されることによって、発育途中の脆弱な脛骨粗面(膝の前面に)負荷がかかることにより起こります。

  

【治療】

物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波)、メドマー(加圧マッサージ機)
手技療法:下肢のマッサージ、ストレッチ
鍼灸:膝蓋骨周囲及び大腿部に鍼治療を行います。灸も効果が期待できます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:ベルトの装着(サポーター)をご提案する場合もあります。

半月板損傷

【原因・症状】

半月板とは、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)の間にある軟骨組織です。内側と外側に一つずつ存在し、関節にかかる体重を分散させたり、関節の位置を安定させる役割を担っています。
そんな半月板に、日常生活やスポーツなどで負荷がかかり、傷がついた状態を「半月板損傷」と呼びます。

  

半月板を損傷すると以下のような症状がみられます。
・膝を曲げたり、伸ばしたりすると、痛みが生じる
・膝の関節が完全に伸びない・曲がらない
・階段の昇降や膝の屈伸などをしていると「ゴキッ」と異常音がする
・歩いているときに「ガクン」と膝が落ちる(膝崩れ現象)
・膝が引っかかって急に動かなくなる(ロッキング)
・膝が腫れる など

      

【治療】

物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波、高周波)
手技療法:下肢のマッサージ、ストレッチ
鍼灸:大腿部に鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:膝のサポーター装着をご提案する場合もあります。

膝蓋腱炎・膝蓋大腿靱帯炎(ジャンパー膝)

【原因・症状】

膝の皿(膝蓋骨)の下が痛むものが膝蓋腱炎、上が痛むものが膝蓋大腿靱帯炎といいます。これらをひとくくりにジャンパー膝といわれています。

  

バレーボールやバスケットボール、走高跳やサッカーのゴールキーパーなど、跳躍動作を繰り返す人、あるいはランニングをする人でひざの前の方に痛みが出ている場合は、ジャンパー膝である可能性が高いです。
スポーツのみではなく、仕事などで膝の屈伸動作が多い方、長距離を歩く方などにも発症します。
ジャンパー膝は放っておいて簡単に治ることもありますが、残念ながらなかなか治らずに時間が経過することも少なくありません。症状が改善しない方は治療をお勧めします。

  

ジャンパー膝の原因は「膝蓋腱・膝蓋大腿靱帯」というスジの中で「血管が余計に増えてしまう」ことだと考えられています。血管が余計に増えてしまう原因は「繰り返しの負担(負荷)」です。
膝の屈伸やジャンプの着地のたびに、膝蓋腱・膝蓋大腿靱帯が引っ張られます。特に強い負担がかかった時には腱の中で小さな傷が生じます。すると、その傷を治すために血管が増えてきます。普通であればこの傷は2週間ほどで治り、傷が治ると増えた血管も消滅するのが通常の流れです。ところが、負担のかかる動作をあまりに繰り返すと、できた傷が治る前に新たに損傷ができてしまい、血管が減る暇がなく増え続けてしまいます。
血管が増えると、それと一緒に神経線維も増えてしまうため、痛みの原因になります。

「痛みが強くなってきた」「なかなか痛みが治まらない」と感じる方は、膝を休ませてあげた方が良いでしょう。

  

<有効なストレッチ>
大腿四頭筋、腸腰筋のストレッチ

  

【治療】

物理療法:低出力超音波治療、高出力超音波治療、電気治療
手技療法:大腿部のマッサージ、ストレッチ
鍼灸:膝蓋腱周囲、膝蓋大腿靱帯周囲に鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他:必要に応じてサポーターのご提案、テーピング等を行います。

変形性膝関節症

【原因・症状】

変形性膝関節症とは、膝の関節が加齢や過度の負荷によってすり減り、痛みや動きの制限を引き起こす疾患です。
主に中高年に見られ、関節内の炎症や関節組織の変性が関与し、末期には骨の変形も引き起こします。
女性では40歳以降、男性では50歳以降の発症が多くなります。また、全体の男女比は1:4と、明らかに女性に発症しやすいことが分かっています。

  

痛みの原因は、ひざの関節内にある「滑膜(かつまく)」の炎症です。
関節の中は関節液という液体で満たされていますが、炎症は関節液の中を漂う「軟骨のかけら」が関節の内側を覆う滑膜を刺激することで、炎症が生じます。
軟骨の表面は本来非常に滑らかで、こすっても簡単にはすり減りません。しかし、ひざは1日に何千回もこすれます。これが数十年続くと、タイヤがすり減るように徐々に磨耗が進んでいきます。その結果、すべすべしていた軟骨の表面はザラザラと毛羽立ちはじめ、軟骨自体が削り取られていくのです。こうして削り取られた軟骨のかけらが滑膜を刺激して、炎症を引き起こします。

  

【治療】

物理療法:低出力超音波治療、電気治療(低周波)
手技療法:下肢のマッサージ
鍼灸:関節及び大腿部に鍼治療を行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
その他 :ご自宅で簡単にできる筋力トレーニング法をご提案します。

  

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