・肩関節周囲炎
・腱板損傷・腱板断裂
・インピンジメント症候群
・胸郭出口症候群
・投球障害(野球肩)

  

肩関節周囲炎

【原因・症状】

・肩関節周囲炎は、肩関節周囲の組織が炎症を起こした状態で、肩関節の周囲にある腱や粘液包、靭帯などの組織に炎症や圧迫が生じることで引き起こされます。
・肩の痛みや運動制限、時には肩関節の可動域の減少などの症状を引き起こすことがあります。
・40代~50代によく見られるだけで、30代、60代、70代でも起こります。

  

肩関節周囲炎の主な原因としては、以下のような要因が挙げられます。
・過度の使用や急激な運動:肩を過度に使ったり、急激な動きをしたりすることで、肩関節周囲の組織に負担がかかり、炎症が起こることがあります。
・肩の姿勢や使い方の問題:姿勢の悪化や無理な肩の使い方によって、肩関節周囲の組織に負担がかかり、炎症が生じることがあります。
・外傷:肩関節または上腕に直接的な外力が加わった場合、肩関節周囲炎を引き起こすことがあります。
・年齢と共に進行する変化:加齢によって、肩関節周囲の組織に変化(変性)が生じ、炎症が起こることがあります。

  

肩関節周囲炎の治療には、安静、物理療法、抗炎症薬の使用、運動療法などが用いられます。

  

【治療】

物理療法:電気治療、超音波治療を肩関節に直接行います。
手技療法:肩甲骨周囲の筋肉にアプローチします。
運動療法:急性期(炎症期)を過ぎたら(痛みはじめてから1~2か月後)関節の可動域に合わせて運動を行います。また、ご自宅で出来るストレッチなども提案して行きます。
鍼灸:急性期には関節周囲の筋緊張に対し可動域制限の進行を抑えます。拘縮期(痛みはじめてから1~2か月後)には運動鍼(鍼を打ちながら動かす)を行うことがあります。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)

腱板損傷・腱板断裂

【原因・症状】

・腱板損傷や腱板断裂は、肩の腱板(Rotator Cuff)に生じる損傷です。
・腱板とは、肩関節の安定性や運動の円滑性を保つために重要なインナーマッスル(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とそれにつながる腱です。
・腱板損傷は、急激な外傷や長期間の過度な使用、スポーツ、加齢による変性などが原因で発生することがあります。
・症状として、肩の痛み、運動制限などがあります。診断は、症状の詳細な評価や画像検査(MRI、エコー検査)によって行われます。また、治療方法は、軽度の場合は保守的治療(安静、物理療法、抗炎症薬の使用)から手術治療までさまざまです。

  

【治療】

物理療法:超音波治療、電気治療(中周波、低周波)
手技療法:肩関節周囲の筋緊張へのアプローチ、運動療法
ご自宅で出来るインナーマッスルの強化法及び柔軟性を取り戻すためのエクササイズの提案。
鍼灸:腱板及びその周囲の筋肉に対して緊張を軽減させる目的で行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)

インピンジメント症候群

【原因・症状】

・インピンジメント症候群は、腕を上げた際、上腕骨の一部が烏口肩峰アーチを通過する際、腱板や粘液包が肩峰と衝突し痛みや炎症を起こす症状です。
・この症候群は、肩の使い過ぎ(オーバーユース)、スポーツや職業での繰り返し動作、加齢による変性などが原因となります。

  

主な症状
・腕を上げたときの痛み(寝ている時に痛む場合もあります)
・肩の可動域の減少
・肩の筋力低下
・持続的な違和感や炎症

  

診断方法
・問診と視診:患者の症状の詳細な確認と肩の動作を評価。
・理学検査:インピンジメントテスト(ホーキンス・ケネディテスト、ニーアーテストなど)を実施。

  

予防方法
・運動前に肩の柔軟性を高めるためのウオーミングアップを行う。
・肩に負担をかけない動作を心掛ける。
・肩周りの筋力を強化し、安定性を向上させる。
インピンジメント症候群は、早期に適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。肩の痛みが続く場合は、専門医に相談し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

  

【治療】

物理療法:超音波治療、電気治療(中周波)
手技療法:関節周囲の筋緊張を和らげるマッサージ。症状によってストレッチや運動療法。また、インナーマッスル強化法のエクササイズをご指導します。
鍼灸:急性期には消炎作用、鎮痛作用を目的とした鍼治療を行い、時期をみて可動域を広げる鍼治療を行います。

  

また、この症状は休息と安静が必要です。肩の使い過ぎや痛みの出る動作は避けましょう。

胸郭出口症候群

【原因・症状】

・胸郭出口症候群とは、腕神経叢と鎖骨下動脈が①前斜角筋と中斜角筋の間、②鎖骨と第一肋骨の間、③小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部の後方を走行しますが、①~③の部位で締め付けられたり、圧迫されたりして起こる疾患です。それぞれ①斜角筋症候群、②肋鎖症候群、③小胸筋症候群と呼ばれ、総称して胸郭出口症候群と言われます。

・症状として、腕の痺れや肩甲骨周囲の痛み、握力低下、上肢の冷えや浮腫みが生じます。
・原因は多岐にわたりますが筋肉の緊張や姿勢なども影響を与えます。

  

【治療】

物理療法:電気治療(低周波)、超音波治療
手技療法:首、上背部の筋緊張を和らげた後、肩甲骨の運動療法を行います。また、姿勢を管理する手法などアドバイス致します。
鍼灸:胸郭出口周囲の筋肉に針を打ち、パルス電流を流します。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)

  

投球障害(野球肩)

【原因・症状】

野球やバレーボールなどの投球動作、肩を酷使するスポーツ選手に多く見られる肩の障害です。長期間にわたり肩関節を酷使することにより関節や筋肉、腱に過度な負担がかかり、痛みや機能障害が生じます。
・肩峰下滑液包炎(けんぽうかかつえきほうえん):肩の滑液包に炎症が起こり、痛みを伴います。
・回旋筋腱板損傷(かいせんきんけんばんそんしょう):肩の回旋筋腱板(ローテーターカフ)が損傷し、痛みや可動域の制限が生じます。
・上腕二頭筋長頭腱炎(じょうわんにとうきんちょうとうけんえん):上腕二頭筋の腱に炎症が起こり、痛みが生じます。

  

原因としては、肩の酷使、投球フォームの不良、肩関節周囲筋肉群のバランス不良等です。
予防法として、まず休養です。ついでインナーマッスルの強化、投球フォーム等の改善などが挙げられますが、プレー前のウオームアップやプレー後のクールダウンも重要です。

  

【治療】

物理療法:電気治療(中周波)、超音波治療、低出力超音波治療
手技療法:関節周囲の筋肉へのアプローチ、運動療法
鍼灸:腱板や周囲筋肉へ鍼治療を行います。消炎作用や筋肉を和らげる効果が期待できます。また、試合前(練習前)の鍼治療は非常に効果的です。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)

  

  

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