首
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「首が前に曲がってしまう」・「前を向いて歩くのがつらい」・「夕方になると首がつらくなる」これは「首下がり症候群」かもしれません
首下がり症候群は70歳以上の女性に見られる事が多い疾患ですが、男性に見られる事もあります。進行すると手術になる場合もあるため、症状を理解しておくと早期発見につながる場合もあると思いますので今回お話ししたいと思います。 首下がり症候群とは 首下がり症候群とは頭を支えたり、首を後ろにそらしたりする筋肉が何らかの原因で弱くなり、体を起こしている時に頭の重さを支えきれず、首が前に曲がった状態になる疾患です。 原因は? ①約70%が原因不明(特発性)とされています。加齢による姿勢の変化や頭を支える筋肉の筋力低下が主な原因と考えられています。 ②約30%は他の病気(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ミオパチー、重症筋無力症、甲状腺機能低下症などの筋力低下をきたす疾患)が原因とされています。 症状 首こりや肩こりのような違和感を感じはじめ、やがて頭が重く感じるようになり、首が曲がり始めます。突然発症する場合もあるようです。 進行してくると、・朝は調子が良くても夕方、夜になると首が上がらない・視線が下がるため歩きにくい・頭を上げようとすると首や背中が痛い・嚥下障害・顎が胸に接触す…

「以前はなかったのに、最近首肩こりがひどい」それは「頸椎症」かもしれません。
頸椎症の症状 頸椎症(けいついしょう)は様々な症状がみられます。 ①首、肩周囲の「こり」、「痛み」・・・局所症状 ②片側の首から上肢にかけての「しびれ」、「痛み」、「脱力1」、「手の感覚異常」・・・神経根症 ③両方の上肢や下肢の「しびれ」、「脱力」、「巧緻運動障害2」、「歩行障害」、「排尿や排便障害」・・・脊髄症 ④全身の症状・・・冷え、疲れやすい、頭痛、耳鳴り、めまい、発汗異常・・・自律神経症状 頸椎症はどんな病気? 頚椎症とは、頭を支えたり動かしたりする負担が頚椎にかかり続けることで起こる変化です。椎間板という背骨の一つ一つの骨をつなげ、その間に挟まってクッションの役目をする組織が、摩耗して水分を失い、上下の厚みがなくなる状態(椎間板変性)が最初に起こります。変性した椎間板は厚みを失った分だけ周囲にふくらみます。椎間板が変性すると、椎骨のへりに骨棘(こつきょく)といわれる骨の出っ張りが現れたり、靭帯の石灰化や骨化が見られる事もあります。このような変化によって神経の通り道が狭くなると、そこを通る神経が挟まれてしまいます。その圧迫の部位・状態によって、頚椎症性神経根症と頚椎…

一度は経験がある辛い「寝違え」。その原因とは?
皆さんも一度は経験がありませんか?私も数回寝違えた事があります。特に大学生の頃、ひどい寝違えになったことがあり、首を動かすと涙が出るほど痛かった記憶があります。今回はその寝違えについてお話ししていきます。 寝違えの原因とは? 寝違えの正式名称は「急性疼痛性頚部拘縮(きゅうせいとうつうせいけいぶこうしゅく)」といいます。原因はいくつもの説がありますが、どの原因も関連があるため1つに限定することはできません。ここでは、最も関連が深そうなものをいくつか見ていきましょう。 睡眠時の姿勢 睡眠中の不自然な姿勢は大きな原因のひとつとされています。ソファーで寝るなど、寝返りが出来ないような姿勢で眠り続けると、筋肉や腱が伸びたり頸椎に負担がかかります。その結果、神経の傷みや血行不良が起こり、寝違えを発症します。 枕とマットレス 諸説ありますが、枕の「高さ」が重要とされています。寝ている時に頸椎が自然な状態を保てることが大切です。高すぎる枕だと、寝る姿勢にもよりますが、首が曲がった状態になりがちです。また、マットレスの硬さによっても首の角度が変わってきますので注意が必要です。「寝返りが自然に…

腕や背中の痛み、しびれ「頸椎椎間板ヘルニア」になってしまったら
当院では、頸椎椎間板ヘルニアでお悩みの方が多数ご来院されます。病院での検査後ヘルニアと診断され、リハビリを受けた経験がある方や、投薬治療のみを受けている方、診断は受けたがその後通院されていない方などさまざまです。今回は、頸椎疾患の中でも非常に多いとされる頸椎椎間板ヘルニアについてお話しします。 症状 頸椎椎間板ヘルニアを発症すると、主に次のような症状がみられます。 〇首・肩甲骨周囲・腕の痛み・・・首の痛みに関しては、「寝違えた」ような感じの痛みが突然あらわれる事があります。腕や肩甲骨周囲にも同じような痛みを感じることもあります。 〇手足のしびれ・・・痛みの後または並行して、主に腕から指先にしびれがあらわれます。 〇腕や手指の脱力(力が入らない、握力の低下)・・・物を落としやすくなったり、腕を上げるのが困難になったりします。 また、ヘルニアには3つのタイプがあり、タイプにより症状が変化します。 〇外側ヘルニア・・・髄核が外側に飛び出すタイプです。主に神経根を圧迫します。→神経根症 〇正中ヘルニア・・・髄核が真ん中に飛び出すタイプです。主に脊髄を圧迫します。→脊髄症 〇傍正…
筋筋膜性疼痛
【原因・症状】
筋筋膜性疼痛(MPS)は、筋肉や筋膜において慢性的な痛みやこりをおこす症状です。この痛みは、トリガーポイントと呼ばれる筋肉内のしこり(筋膜内の過敏な領域)が原因で発生します。また、患部の周囲に痛みを放散させることがあります。
トリガーポイントの特徴
・筋肉内に存在する過敏な点で、圧迫すると痛みが生じる。
・触れるとしこりとして感じられる。
・トリガーポイントの周囲に痛みを放散させることがある(放散痛)。
症状
・鈍い痛みや圧迫感を感じる
・痛みの強さや位置は変動することがある。
・持続的な痛みや運動による痛みの増強が見られる。
・筋肉のこわばりや緊張感。
・動作範囲の制限や筋力の低下。
・頭痛や耳鳴り、めまいなどを併発する。
原因
筋肉の過度な使用、外傷、不良姿勢(スマートフォン、PC)、寒冷、ストレスなどが挙げられます。
予防法として、姿勢の管理、ストレッチ、適度な運動、ストレス管理、食事管理が重要です。
【治療】
物理療法:電気治療(低周波)、超音波治療、ウオーターベッド
手技療法:トリガーポイント周囲のマッサージ、ストレッチ、姿勢矯正など。
鍼灸:トリガーポイント及びその周囲に鍼治療を行い、筋肉の緊張を和らげます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
筋筋膜性疼痛は適切な治療と自己管理によって症状の改善が期待できるため、早期の診断と治療が重要です。
頸椎椎間板ヘルニア
【原因・症状】
頸椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中に存在する髄核というゲル状の組織が外に飛び出してしまった状態です。これにより周囲の神経を圧迫し、背中や腕の痛み、しびれ、感覚異常、筋力低下などの症状が現れます。
主な原因として、むち打ちなどの外傷、首への過度な負担(不良姿勢など)、椎間板の加齢変性などが挙げられます。
症状
・痛み:腕、肩甲骨周囲、鎖骨の周囲、脇に痛みが出ることがあります。
・痺れ:腕、手の指に痺れが出ることがあります。
・筋力の低下:主に握力が低下することがあります。
・運動障害:腕が挙げにくくなることがあります。
予防法としては、正しい姿勢を意識する、適度な運動を行う、首をエンドポイントまで動かさない。(エンドポイント:これ以上は動かせないと感じる限界点)等です。
【治療】
物理療法:牽引、超音波治療、電気治療(中周波、低周波)
手技療法:肩甲骨周囲のリラクセーション
装具:症状が重度の方には頸椎カラーをお勧めすることもあります。
鍼灸:主に下位頸椎(首の骨の半分から下)、上位胸椎(背骨の肩甲骨周囲)の周囲の筋肉に鍼治療を行う事によって疼痛緩和が期待できます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
頚椎症
【原因・症状】
頸椎症は、首の骨が老化や過度な使用によって変性し、周囲の神経や脊髄に影響を与える状態です。神経を圧迫する部位により「頚椎症性脊髄症」、「頚椎症性神経根症」と呼ばれます。
主な原因として、加齢による頸椎の変形、首を上や下に曲げる動作が多い方、交通事故などによる外傷が挙げられます。
症状
・痛み:首、腕、肩甲骨周囲、鎖骨の周囲、脇に痛みが出ることがあります。
・痺れ:腕、手の指に痺れが出ることがあります。
・筋力の低下:主に握力が低下することがあります。
・運動障害:首を動かしにくくなったり、腕が挙げにくくなることがあります。
予防法としては、正しい姿勢を意識する、適度な運動を行う、首を酷使せず、首周りの筋肉の柔軟性を保つ等です。
【治療】
物理療法:牽引、超音波治療、電気治療(中周波、低周波)
手技療法:首、肩甲骨周囲のリラクセーション。
装具:症状が重度の方には頸椎カラーをお勧めすることもあります。
鍼灸:主に頸椎、上位胸椎(背骨の肩甲骨周囲)の周囲の筋肉に鍼治療を行う事によって疼痛緩和が期待できます。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)
寝違え
【原因・症状】
寝違えは眠った状態から目が覚めた時に、首や首から肩にかけて痛みを感じ、首を動かした際に痛みを感じたり、痛みにより動かせない時もあります。
原因としては複数考えられています。
・睡眠中不自然な姿勢が続いたために一部の筋肉に血液の供給が不足し、しこりとなっている。
・前日などにいつもはしないスポーツや労働をして、頸椎の後ろの関節の袋(関節包)に炎症がおこる。
・就寝時に同じ姿勢が持続する。(飲酒後の睡眠や疲れ果てての睡眠などでは寝返りが少なくなる)などです。
寝違えになったら、無理に首を動かさないようにして安静にします。また、ストレッチやマッサージが有効な場合もありますが、痛みが強い時は避けた方が良いでしょう。痛みが強い期間は温めないようにし、湿布も有効です。
【治療】
物理療法:電気治療(高周波)、超音波治療
手技療法:痛みが落ち着いてきてから開始します。
鍼灸:痛みの原因となっている筋肉等に直接鍼を打ち、筋緊張を和らげます。また、首とつながる経絡(けいらく)に鍼を打つ遠隔治療も行います。(鍼治療は患者様と相談のうえ決定します。)



